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変革の瞬間−3
ウィンテル環境から買う
ウィンテル環境から買う

メインフレームの時代には、コンピュータメーカーが潰れるなどということは考えてもみなかった。しかし、昨今は何が起こってもおかしくない状況だ。
 さて、よく考えてみると、コンピュータメーカーが潰れて困るのは会社によってコンピュータの種類が違うからだ。もう少し正確にいえば、会社によってプラットフォームのアーキテクチャが違うからだ。もしそれが同じなら、会社が潰れて多少ごたごたしても、ほかの会社から同じアーキテクチャのものを買えばよいのだから、問題が小さくなる。
 そんなふうに見れば、パソコンはすでにそうなっている。ウィンテルアーキテクチャだから、どこの会社から買っても基本的に同じである。したがって、会社が潰れたからどうするかというリスクはなく、顧客をコンピュータメーカーとの密接な関係から解放する。
 こんなうまい話を、マイクロソフトやインテルが初めから描いていたかどうか分からない。多分、最近よくいわれる「市場が選択した結果」であろう。市場とは頭のよいものだ。エンドユーザーはコンピュータベンダーとの共倒れのリスクから解放される。
 そこで、せっかくそうなってきたのだから、その流れを積極的に取り入れて、われわれの便利なように考え方を変えたらどうだろうか。つまり、今まではコンピュータというとどこどこの会社から買うと考えていたと思うが、そうではなく、ウィンテル環境から買うと考えるのである。そう考えると、実際にものを買う先のベンダーはそのなかの選択肢の1つということになる。
 コンピュータに限らないが、この先予想される不透明な時代に向けて、共倒れにならないように自衛するためには、ビジネスの環境を選択の多いものにしておく必要がある。そのためには、われわれのものの見方、考え方もそれに合うように変えていかねばならない。
 メインフレームの時代は、IBMがコンピュータの代名詞だった。そして、情報産業を動かす物語は、IBMが長期ビジョンをもちながらつくっていた。ほかのベンダーは、そのようなIBMの物語の間隙をねらってビジネスを展開していた。そのなかで日本陣営はよく健闘してきたと思う。
 しかし、リーダーだったIBMが大きく方向転換し、IBMに代わって“見えざる手”が登場してきて、以前の常識が通用しなくなってきた。われわれの次なる物語はどんなものなのだろうか、だれがつくるのだろうか。
 これから、物語の中心はコンピュータとそのベンダーから、コンピューティング環境と企業群に移っていくことは間違いあるまい。

1999年 5月24日

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